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杣人・somabito

Author:杣人・somabito
Nuages・・・雲のようにふんわりとしています

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『有次と包丁』 江 弘毅 

お元気ですか?

『有次と包丁』という本をBOOKOFFでみつけたので、嬉しくなって買った。有次というのは京都錦市場にある包丁やさんである。私は時々京都に行くが烏丸あたりに宿をとることが多いので錦市場はお散歩にはもってこいだ。せっかくの京都だから美味しいお店で食事というのもあるが、錦市場で鱧や漬物を買って部屋に戻りビールで楽しむのは観光客の人込みに疲れたときには都合が良い。むしろ部屋で食事が出来るよう予定を組んで買い物に出かけるといったほうが正しいと白状しよう。そうゆう時の私は錦市場へ向かう足も軽くうきうきしている。

そんな錦市場にある包丁やさん有次で包丁を買ったのは数年前だ。社会人になったときに吉祥寺の東急デパートで買った牛刀がだいぶ減っていよいよ新しい包丁が欲しいと思い出してから二年ほどしていた。私は欲しいものが出来たからといってすぐ買いに行くことは出来ない。何が欲しいのか、どうして欲しいのか、買ったらどう使うのか、色々自問しながら時間をかける。一方でそれまで使っていたものに対して感謝と別れの気持ちを同じ時間かけて話かける。そうゆう作業を経ないと次の道具が買えないのだ。

そして京都に出かけることになった時、パートナーさんに「今回は錦市場で包丁を買うよ」と伝えた。

有次は京都の台所を守るプロ向けのお店だ。魚屋、八百屋、漬物屋、みんな有次の包丁を使う。同時に錦市場の有次ではいつでも観光客とおぼしき一般の客で溢れている。ちょっと油断していると狭い店内は歩くのも遠慮がいるくらいだ。正直なところ私はそんな店に入るのが苦手だ。むしろ人のいない店に「見せて頂いてよろしいですか。」とドアを開けて入る方が気が楽だ。だが今回は有次で買うと決めて来ているのだから入らないわけにはいかない。
店に入り壁一面に並べられた包丁を見ているとそれだけで楽しくなる。吸い込まれるような感覚、浮遊感を楽しみたいところだが狭い店は混んでいる。目的の包丁を買わなければと我に戻って振り返ると店員さんが「どうゆう包丁をお探しですか」と声をかけて来た。私はこれまで使っていた牛刀の代わりになるものをと用途を伝える。店員さんは「平常一品」と刻まれた三徳包丁を薦めてくれた。確かに家庭で使うには便利な包丁だ。だが素人っぽい気もする。少し考えプロのお薦めに従う事にした。
有次では包丁を購入すると名前を彫ってくれる。それを待ってカウンターで包丁の研ぎ方を書いた紙と一緒に受け取った。

あれから我が家では有次の三徳包丁がメインの包丁になっている。銀座の木屋で買った出刃包丁、刺身包丁もあるがよほど大きな魚をおろす時でないと使えないのは今の家の台所事情もある。
有次は時々砥石で研ぐ。料理人さんのように毎日という訳ではないが、気がついたら砥石を濡らしている。刃に指をあて気に入った感じに仕上がったらよく水気を拭きとり引き出しにしまう。システムキッチンにある包丁たては使わない。あれは錆が出やすいし包丁がぶつかり合っているようで嫌いだ。食器棚の引き出し一つを包丁入れにして布巾をしいてしまうようにしている。

『有次と包丁』を読み新たに包丁が欲しくなった。パートナーさんに言えば「あるでしょう」と言われて警戒されてしまう。だから小さく「新しい包丁がほしいな」と言ったきり、どうゆう包丁が欲しいか考えパートナーさんの了解を得られるように作戦を考える。大きな出刃包丁は木屋があるから小さな出刃包丁が欲しい。三徳包丁に対し和包丁だから差別化も出来る。家庭向けの魚をおろすにも都合が良いと説明も出来る。ペティナイフの大きさの包丁も使い易い。本当はお刺身用に柳葉包丁も欲しい。今あるのは関東の先端が四角くなっているいわゆる蛸引きである。それが嫌いという訳ではないが関西の先の尖った柳刃包丁も楽しみたいのだ。
こう言い出すともう家庭の用途を通り越して好みの世界、道具を楽しむ世界になってくる。パートナーさんを説得しなくてはならない。

ところで有次の包丁は柔らかい。研いでみると砥石に吸い付くような粘っこい感じがする。実は有次を買ったあとも東急で買った牛刀を処分せずとってある。殆ど使う機会は減ったのだが最近ふと使ってみた。食材にあててひいてみると刃が硬いように思う。
有次の出刃包丁や柳葉包丁を買って研いでみたいというのも実は私の希望なのだ。
新しい包丁を買うために、パートナーさんの希望する家をつくりキッチンを使い易くしよう。『有次と包丁』を読んで私はそう思った。




『天国からの奇跡』

お元気ですか?

『天国からの奇跡』という映画を見ました。実話を基にしたというこんなお話です。

テキサス州で暮らすビーム家は獣医のケヴィンと妻のクリスティ、三人の娘と動物たちといった家族。ある日次女のアンナに消化器系の病気が見つかり病院に運ばれるが重篤な状態が続く。母親のクリスティは藁をもつかむ思いでボストンの病院へ娘を連れて行くが予約を取らずに行ったため医者への面会は断られてしまう。ようやく診察を受けることが出来、新しい治療を試すが結果は思わしくなく、直る見込みも持てないまま自宅に帰る。
ある日姉と木登りをして遊んでいたアンナは大木の中に出来たむろの中に落ちて救急隊に助けられて病院に運ばれるが奇跡的に怪我もなく退院する。
家に帰って遊ぶアンナを見ていたクリスティはアンナが痛み止めを飲んでいないことに気づきアンナから意外な話を聞かされる。
アンナは木のむろに落ちた時に臨死体験をし病気が治ると知らされたというのだ。実際に検査をするとアンナの病気は寛解していた。


子供の病気と信仰とをテーマにした映画は沢山あります。この映画のように実話を基にしたというものもありますが、私は実話であるかどうかはあまり重視していません。大切なのことは信仰、もしくは信じる心とそれを伝えたいという人たちの気持ちを何よりも大切に思うからです。
私はキリスト教の信者ではありませんし神をたてる他の宗教の信者でもありません。仏教は好きですから多くの本を読みその教えを学びましたが宗教としてより哲学として仏教を見ていて決して信心深いとは言えません。
ですが、この映画のように信仰によって救われるという事を伝えようとする人間の姿には深い感動を覚えます。

物語の最後、母親のクリスティが教会で話をするシーンがあり「私たちは奇跡とともに生きている」という事を伝え画面ではそれまで家族が経験してきた場面で多くの人々の心遣いによって助けられてきたことを映しています。私はこの人とのつながりこそが奇跡でありその奇跡を感じることが大事であると映画では伝えたいのだと共感します。

どんなに信仰を深く持っていても病気が治らない事はあります。社会的事件や事故に巻き込まれたり仕事が思うようにいかなかったりと苦しい思いを抱えて生きている人は沢山いることでしょう。でもそのことで信じる心を塞ぐことはもったいないことですし無駄な事です。なぜなら信じている信じていないに関わらず私たちは奇跡の中にあるからです。信仰、もしくは信じる心というのはその奇跡に気づくための道しるべみたいなものです。道しるべが無くても道はありますしその道はどこかにつながっているのです。

私は道徳深い聖人ではありませんし信心を持った者ですらありません。それでもこれまでの生活の中で不思議な経験や出会いを沢山してきました。そうゆう出会い、人や本との出会いもありますし様々な体験もよく見ると私を何かの方向に動かしているように思えます。そうした漠然と見えているものを繋ぎ合わせているとはっきり形作ってくるものがありそれを信じることで私は二つの事をしようとしています。一つは私がどこに行こうとしているのかを確かめてみること。もう一つはその事を通じて私たちを取り巻く何かがあるということを実証することです。なかなか上手くいかず苦しむことも多いのですが、私はこれまでの経験と自分の直感を信じて何時か私の探究が世界の真実につながるものと思っています。そして私が知るであろう小さな真実が誰かの幸せに通じることを願っているのです。

『天国からの奇跡』を見てちょっと涙を流しながら、私は頑張れるぞと勇気をもらいました。

追記)
映画を見て、ブログを開いたところ久しく行き来のなかった方が私のブログにご訪問いただいていたことに気づきました。拝見するとご病気が見つかり集中的に治療に取り組んでいたようです。その方は以前私のブログを読んでご意見を寄せてくださっていましたが、今回はご自身が決めた治療の方向や経過を詳しく書かれています。とても重大な決断をされています。
拝見していていくつかの事を思います。一つは本人にとって重大な決断ですが、それは周りの働きや導きのようなものがあり、その事をご本人が気づいているらしいこと。私はこれを必然的出会いだと思っています。もう一つはその方が今を楽しもうという姿勢を貫かれていること。この姿勢は人生を豊かにする最も大切なもので色々なものを引き寄せてさらに多くの経験をもたらします。きっとその方はご自身の周りにある奇跡を感じていらっしゃるのでしょう。多くの奇跡に囲まれてその方の病気が良くなることを祈らずにはいられません。そして私のブログにまたお立ち寄りいただいたことに感謝申し上げます。


ではまた。


懐かしむこと

お元気ですか?

まだ寒さの残る日が続きますが、天気予報では花粉情報も伝えられるようになりました。朝のお散歩で寒さ対策のためにマスクをつけていましたが、温かくなってきた今は花粉対策のマスクということになります。子供の頃マスクは嫌いだったのですが、今や手放せないものとなっています。

先日、道場で練習をしていたら初心者教室から始めた親子(お母さんと中学一年生の娘)が練習に来ました。とても熱心な親子でほぼ毎日練習しています。この日も支度が出来ると親子そろって入場からきちんと座射の練習をします。訊くとお母さんは審査を受けるようにと先生に言われたそうです。私は基本的に自分から教えたりしませんが入退場など体配はお手伝いをしてもいいでしょう。としばしご一緒に練習をしてみました。初心者さんには楽しく自然に覚えてもらえるようにと思っています。
私たちの練習を男の子が見守っています。お母さんとお姉さんの練習を楽しそうに見ているのです。お茶を飲みながら話をすると10歳、小学校四年生なのだそうです。
「大事な齢ですね」と思わず言ってしまいます。

私は自分が四年生の時の事を今も思い出します。春、新学期が始まるときに学校で教科書を沢山受け取ります。家に持って帰り早速国語の教科書を開き読み出しますが、その中に「最後の授業」がありました。ドーデの「月曜物語」の中にあるお話の一つです。物語を私が紹介する必要はないでしょう。普仏戦争でプロイセン領となったアルザス地方ではドイツ語しか教えてはならないとされフランス語の授業が禁止されたのです。
「フランス語は世界でいちばん美しく、一番明晰な言葉です。そして、ある民族が奴隸となっても、その国語を保っている限り、牢獄の鍵を握っているようなものなのです」と生徒たちと見守る父兄に語る先生の言葉に私はすっかり魅了されてしまいました。そしてこれほど自国の言葉を大切にする国民はなんてすばらしい人たちなのだろうと思ったのです。私がフランス語を勉強することになった最も重要な瞬間でした。この経験以外にも四年生の頃は色々な考えがしっかりしだす頃だと私は経験的に確信しています。

そんな楽し練習をした後日、弓道関係の本を探していたら辞書と書いてある段ボールが目に止まりました。あれ、この箱は何が入っているのだろうと開けてみるとずーっと探していたフランス語の辞書が出てきました。
「マトレ 初級仏仏辞典」と「ラルース現代仏仏辞典」です。特に「マトレ 初級仏仏辞典」は文庫本サイズの薄い辞典で、350ページほどに最低限必要な5000語しか載っていません。私はこの辞書のビニールで出来た表紙をはがし手に馴染みやすいようにしていつも持ち歩いて使いました。普段辞書に線を引いたり印をつけたりしませんが、この辞書だけは動詞、名詞、形容詞と色分けし、赤いボールペンで線を引いて使っていました。そしてこの辞典を使う時は仏和辞典を使う事はなくマトレの中だけで理解するように努めたのです。この使い方は私のフランス語への理解を高めてくれました。そんな感謝と思い出の多い「マトレ 初級仏仏辞典」。懐かしい辞書なので机の本棚に置くことにしました。

道場で会った男の子、私の辞書を見つける手助けをしてくれたのかもしれません。

ではまた。

美味しい頂き物

お元気ですか?

今日はバレンタインデーなのですが我が家には全く関係もなく静かに過ぎてゆくのかと思っていたら、パートナーさんが職場の方から頂き物をしてきました。

みかんのお餅で出来た大福もちです。


よく見るとお餅にみかんが練り込んであって、中には白あんがたっぷり入っています。
これを下さった方はご実家がみかん農家さんで以前みかんが入ったお饅頭をいただいたこともあります。それ以来我が家ではその方を「みかん饅頭さん」と読んでいます。

甘いものが大好きな私。特にあんこを使ったお菓子が好きですからこうゆうプレゼントは大歓迎です。パートナーさんと美味しくいただいたら、「お返しは貴方ね」としっかり役を言い渡されてしまいました。まぁ仕方ないですね。
和菓子を作る技術はありませんから、簡単なケーキでも焼いてお返しとしましょう。

一か月の間に何回も練習しなくっちゃ。

ではまた。

冬は蟹

お元気ですか?

一か月もブログを放置してしまったらスポンサーサイトが現れてしまいます。京都の三十三間堂に弓を引きに行ったりと忙しくしているのですが、なかなかブログに書くほどのネタもありません。子供の作文に学ぶようにありのままを自分の言葉で書くことが大事と考える私としてはちょっと忸怩たる思い。

そこで、今日は身近な話題でお茶をにごしましょう。

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我が家に蟹がやってきました。北海道で育った私にとって蟹といえば毛ガニやタラバガニなのですが、冬の時期はやはり日本海で獲れるズワイガニですね。蟹を食べるなら福井県や石川県の温泉旅館に泊まりながら時間を気にすることなくお酒と一緒に楽しみたいと思っている私たち。料理自慢の老舗旅館のサイトを見ながらなかなか実現しない日常を慰めるというのが実情。以前はよし寒ブリ食べに行こうって車を走らせて東京から金沢に行ったりしたこともありましたが、そんな元気のあった昔がちょっと懐かしい気もします。

今回はそんな我が家に頂き物の蟹。さぁどうやって食べましょう。
実はこのズワイガニは二杯来ましたので、一杯目は日本酒を飲みながらいただきました。身のしっかり詰まった足を丁寧に開き堪能しますが、手はびしょびしょになってあまり人前で食べるものではないなと思います。パートナーさんと二人気兼ねすることなくほぐしたりすすったり・・・。日本酒も進んでいい気分です。
私は味噌にお酒を注いだりはしませんが、最後は甲羅に集めた味噌を頂いてお仕舞。

そして日をあけて二回目は白ワインと一緒に頂くことにしました。まぁ理屈はよしにしましょう。二杯目を食べる時に日本酒がなくなっていただけの話。美味しいチリの白ワインをみつけたので、これで試してみようと思いついた次第です。

201702052.jpg

せっかくの蟹をワインで頂くのですからホタテとタラのアヒージョを作って蟹のお伴としました。蟹が水戸黄門ならアヒージョは助さん格さん。立派に役を務めてくれます。

今夜の蟹も美味しいね。


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